失敗はゆるされない: ティムケンのエンジニアたちが、次の火星探査機用のベアリングを設計

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失敗はゆるされない: ティムケンのエンジニアたちが、次の火星探査機用のベアリングを設計

2021年に、新しい探査機が火星に着陸し、古代の微生物の生息の兆候を探索する使命を遂行します。その日が来たら、ティムケンのシニアアプリケーションエンジニアであるJohn Renaudは、こぶしを掲げて「やった!」というでしょう火星面に探査機を下降させる降下ブレーキ用のベアリングは、同氏が設計したものだからです。

しかしRenaudは、2年前に行われたこれらのベアリングの設計作業は、本当に大変だったと言います。彼の上司である、航空宇宙部門のチーフエンジニアのJohn Lowryも「Johnは宇宙飛行のかなりの専門家ですよ」と言います。火星探査機に使われる精密ベアリングの設計のような作業も、仕事の一部です。

現在、稼働しているCuriosity探査機もまた、以前の2機の探査機、SpiritとOpportunity同様、ティムケン製のベアリングを惑星への降下に使用しました。Curiosityの回転盤システムの中心ハブにはティムケン製のベアリングがあり、岩石、土壌、大気を集めて分析するためのサンプルカップを配置するために回転します。さらに、2 ¼ インチ(6.35 mm)のTimkenベアリングが小型の真空ポンプを作動させて、探査機の分析機器を支えます。

¼ インチのベアリングの価値

これについて考えるとき、Renaudは、このすべての火星探査機のビジネスは驚くに足るものでもない、と指摘します。宇宙でも地球でも、回転メカニズムはすべてベアリングを必要とします。ティムケンは約120年にわたりベアリングを製造してきているので、火星に数個送り出したとしても、あまり驚きではありません。

驚くべきことは、これらのベアリングにどれだけのものが乗っているかということです。「ベアリングは『背負う』という意味以上の働きをします」とRenaudは言います。「1万分の1インチ(2.5ミクロン)という非常に小さな誤差が、部品の成功か失敗を分けるのです」と彼は言います。

失敗の余地はありません。宇宙空間で部品が故障したら、それを修理する人がいないので、使命全体が失敗に終わる可能性があります。Curiosityの場合、25億ドルと8年間の計画と開発の日々が、赤い惑星に着陸した直後に中断してしまう可能性があったのです。

でも、 同探査機は2012年8月6日に静かに滑るようにアイオリス・パルス平原に着地し、それ以来、予定期間である23か月をはるかに超えて、過去6年間、周遊しながら写真と分析を送信し続け、その発見において歴史を築いてきました。

宇宙空間の用途へのチャレンジ

アプリケーションエンジニアとして、Renaudは幅広い問題を解決します。彼は、国防プロジェクト、衛星、センサー、ヨットのジャイロなど、あらゆるものを手がけてきました。彼はよく環境上の要素と負荷がかかる状態、つまりベアリングが支えなければならない外部からの力だけを見ることがあります。「頭文字やプログラム名は分かっても、プロジェクト自体が機密であることもあります」と彼は述べます。「これは何に使うの?それは言えません。」

宇宙で応用されるとなると、地上のプロジェクトではそれほど重要でないかもしれない数多くの要素が出てきます。最初に、発射条件の極度な高温、振動、加速を考慮する必要があります、とRenaudは言います。

一般的に、ティムケンのエンジニアは、ティムケン独自のモデリングソフトウェアであるSyberを使用して、顧客から提供される負荷条件を実行します。「ベアリングが入力された負荷にどのように反応し、接触面にかかる負荷とシャフトのたわみを見て、問題が発生するかを判断します」と彼は言います。

宇宙空間で使用されるベアリングは、しばしば真空状態で使用されますが、真空状態はものを乾燥させてます。その問題に対応するため、Curiosityのベアリングは特殊なグリースとオイルを混合した潤滑溶剤を使用するように設計されました。宇宙では、ガスの放出も懸念されることもあります。「不安定な材料を扱っている場合、機器も含めて、衛星内部のすべてのコンポーネントを汚染してしまう可能性があります」とLowryは述べます。

宇宙空間でのベアリングはまた、特に軌道から何かに方向を定めたり、焦点を合わせたりするときには信じられないほど正確でなければなりません。ベアリングがスムーズに作動していないと、衛星の位置を正確に定める能力に影響を与え、衛星の残りの部分に振動を伝えてしまいます。そうすると、鮮明な画像が得られません。

「カメラのズームをコンサートの舞台に合わせるとき、遠くの画像を鮮明に捉えるために手を動かずにいるのは、非常に難しいことです」とLowryは言います。「宇宙空間にいてそれを遠距離からすることを想像してみてください。衛星の方向に合わせたり、データを収集するために機器の焦点を合わせるとき、振動が伝ってしまうと大変です。この要件は、その観点から見ると、非常に困難なことです。」

コラボレーションが重要な社風

Renaudはティムケンに11年間勤続しており、マサチューセッツ大学 ローウェル校で機械工学の学位を取得し、卒業後、製品エンジニアとして入社しました。Lowryは勤続20周年を迎えようとしており、R&Dとプログラム管理でキャリアを積んだ後、2011年に航空宇宙部門のチーフエンジニアになりました。

「航空宇宙部門に異動する前に、私は直径10~12フィート(3m~3.7m)の風力エネルギーのベアリングの仕事をしていました」とLowryは述べます。「でもここでは、¼インチ(6.35mm)の小さなものもあります。」

両者ともさまざまなプロジェクトに取り組んできました。「毎日が違っています」とRenaudは言います。

何十億ドルのプロジェクトに取り組むとき、精度が何より重要となります。細部への注意が重要であるばかりか、オープンなコミュニケーションを重視するチームの雰囲気も大切です。

「我々は問題を解決するためにここにいます」とLowryは言います。「彼らは、オープンで正直、アプローチしやすい方法で協力します。それはティムケンで働く楽しみの1つです。」

Timken engineers, John Renaud (left) and John Lowry (right)

次の宇宙プロジェクトを探している若いエンジニアには、どんなアドバイスをしますか?「質問をたくさんしてください」とLowryは言います。「スポンジのようになることです。」

「今日、現場に最初から居る専門家の一部が、若い世代と交代し始めています。彼らがこれからの役割を担うのです。お客様は当社の支援を一層求めてくるでしょう」とLowryは言い、

Renaudもそれに合意します。「同僚から学んでください」と彼は言います。「何年もの間この仕事を行ってきたこれらの人々が、あなた方の最大の情報源です。」

同時に、宇宙産業は素早く進化しています。「衛星はより小さく、より安価になってきています」とRenaudは述べます。「会社が比較的安価で小型の衛星群を送っているときは、たまに失敗しても受け入れられることもあります。」でもRenaudとティムケンチームは、そのようなことにあまり慣れていません。

「以前の宇宙飛行とは異なります」とLowryは言います。しかし彼は、チャレンジを楽しみにしています。ティムケンの専門知識と協働モデルは、次世代の新しいアイデアや考え方と組み合わせて、間違いなく、より小さく俊敏な宇宙企業の要求に応えるという大きな役割を果たすでしょう。