専門知識

人間が率いる高度なベアリングシステム分析

Syberベアリングシステム分析ソフトウェアプラットフォームは、あなたが使う動力伝達システムに適したベアリングを特定できることで、ティムケンの世界中の顧客に知られています。動力伝達システムをより効率的に設計するために、Syberを買収したいという秘密の願いを、複数の顧客がから聞きました。

初期の頃からSyberチームを率いてきたマーク・マルテンスは、事はそれほど単純ではないと言います。「顧客がプログラムの価値と認識しているものは、実際には、このツールによって権限を与えられているティムケンのアプリケーションエンジニアたちの働きによるものです」と彼は言います。「当社の研究開発(R&D)は、優れたソリューションを考え出します。アプリケーションエンジニアがそのすべての知識を活用できるように、それらを共通のプラットフォームで合体させているのです」。

Syberを使用すると、アプリケーションエンジニアは、ギアボックス、車軸センター、ホイールエンド、ポンプなどの顧客アプリケーションに関する情報を取得し、詳細を複製して、ベアリングとシステムの他の部分がどのように連携するかを分析できます。その分析を通じて、ベアリングの寿命、出力損失、発熱、たわみ、内部応力を予測して、そのシステムに最も効果的なティムケン製品の代替品を特定します。

Syberを隅から隅まで知っている3人の専門家であるビル・ハノン、マーク・マルテンス、ニキル・ロンデーが、プラットフォームがユニークな方法で役立っている理由を説明します。

多くの入力で高い精度を引き出す

ティムケンは、ベアリング分析のために、顧客のシステムをモデル化するコンピューターシステムの使用を早期に取り入れたとマルテンスは言います。彼はアプリケーションエンジニアとして約10年間を過ごし、前世代のツールを使用して顧客をサポートしてきました。それはメインフレームコンピュータで始まり、時間の経過とともにパソコンからもアクセスできるようになりました。

「ティムケンが製品ラインを拡大するにつれて、私たちのニーズも劇的に増大したのです」と彼は述べます。「もっと多くのことができるプラットフォームが必要でした。お客様はより洗練され、重量を減らして構造の完全性を維持することでコストを節約するようになりました。彼らは、燃料効率の高い環境に優しいソリューションのために、より低いトルクを求めていました」。

ティムケンは2005年にSyberを立ち上げ、それ以来、チームは毎年大きなアップデートを行っています。「最も興味深い結果のいくつかは、Syberの準静的分析と、より動的なモデリングの統合でした。物事が時間とともに変化するにつれて何が起きるかを調べるのです」とマルテンスは言います。

Syberが導入されて以来、チームは多くの種類のベアリングを含むように機能を拡張し、対象システム内でのそれらのベアリングの寿命を正確に予測する機能も向上させました。

「Syberがリリースされたとき、ティムケンはそれがどれほど正確であるかを理解するために多くのテストを行いました」と、ベアリング科学者で、Syberの性能モデリングツールを可能にする数式を開発するビル・ハノンは言います。「元々正確でしたが、正確さが月日を重ねるごとにさらに向上しています」。

精度は、エンジニアが分析できる個々の応力要素の数に直接関係しています。「顧客は、システム内での物事をたくさんこなそうとしますが、私たちの計算にもそれらの入力をさらに多く含めることができます。これにより、実際のソリューションに近づくことができます」とマルテンスは言います。

合理化された顧客とのコラボレーション

最近、ハノンは、燃料効率の高い車両を設計するためのプロセスを合理化した温度予測モデルで飛躍的な進歩を遂げました。「私たちは、第一原理データだけでなく、テストデータや物理的な実世界のコンテンツにも関連付けられた、より正確な計算を得ています」とマルテンスは言います。「今日、私たちは1時間以内に多くのシステムの平衡温度の問題を解くことができます」。

この種の応答性は、特にSyberには外部の剛性とコンプライアンスマトリックスを組み込む機能も含まれているため、顧客にとって非常に貴重です。「ほとんどのお客様は、Abaqus FEAなどの商用ソフトウェアで設計しているため、この機能により、Syber内でシミュレーションとのインターフェースが可能になります」とSyberでベアリング寿命予測モデルに取り組んでいる主任製品開発エンジニアであるニキル・ロンデーは言います。

顧客の設計プロセスに接続できるようになったことは、ティムケンのアプリケーションエンジニアが顧客と協力する上でますます重要になっているとマルテンスは言います。接続を合理化し、情報(パワートレイン部品がどれだけ熱くなるかなど)を共有するSyberの機能は、顧客が隣接するコンポーネントを設計するのに役立ちます。「私たちが彼らと提携関係を結び、彼らの成功を確実にするのに本当に役立っています」とマルテンスは言います。

このコラボレーションはすべて、ティムケンの顧客への取り組みの一環であり、顧客が研究開発における打破を推し進め、それがSyberの計算にも取り入れられるのです。「ほとんどの場合、顧客を支援する過程で、Syberも押されて最先端になるのです」とマルテンスは言います。

ロンデーは、双方にとって有利であることを指摘しています。顧客は貴重な現場経験を提供し、彼とハノンが思いついた理論式を検証します。「これらは、どのモデルが機能していて、どのモデルが機能していないかを判断するのに役立ちます。彼らのフィードバックと検証は私たちに決定的な方向性を与えてくれます」と彼は言います。

近日公開:Syber機能の飛躍

ティムケンのSyberベアリングシステム分析プラットフォームの機能を拡張し、さらに協調できて安全なものにするために、大きな変更が取り入れられています。

Syber開発チームは、モジュール式のMicrosoft Windowsインフラストラクチャ上に構築されたまったく新しいバージョンのプラットフォームに取り組んでいます。新しいSyberは、より多くのクラウドコンテンツがあり、現場の負担が軽くなるなど、最新のデジタルITインフラストラクチャを起用しています。

この投資は、ティムケンのデジタルインフラストラクチャ全体を最新化するという2018年の決定の結果、行われました。「私たちがどこに向かいたいかというティムケンのビジョンは、世界的パンデミックとリモート作業の必要性など、2020年に直面したいくつかの課題と一致することになりました」とSyberチームを率いるマーク・マルテンスは述べています。

新しいシステムでは、データを一元的に保存する機能が強化されるため、アプリケーションエンジニアはどこからでも計算やデータにアクセスでき、タイムゾーンや組織のサイロ間でより簡単に共同作業を行うことができます。同時に、最新のセキュリティプロトコルを利用するため、管理者は誰が何にアクセスできるかを厳密に制御することができます。

Syber 2.0は最初から、拡張された動力伝達コンポーネントが分析に含まれています。「買収から多くのことを学びました」とマルテンスは言います。

「私たちが買収したすべての企業には、摩擦するもの、回転するもの、動くものがあります。それらはすべて、摩擦学で動作するのです」とハノンは言います。「これまで論じてきた、これらの動力伝達要素を取り扱うすべてのSyberモデルは、お客様が取り組んでいる設計に多大な価値をもたらす可能性があります」。

ソフトウェアプログラムで置き換えることのできないもの

Syberは、組織のすべてのレベルの人が協力できるように構築されたプラットフォームであり、その協働作業がティムケンの成功の礎です。「私のところにいるアプリケーションエンジニアと気軽な会話をすることで、自分のアイデアを現場の問題に適用し始めます。理想的には、コーヒーを飲みながら話しをするのです」とハノンは言います。

「R&Dの壮大で理論的な計算と、Syber実装の実用性、そしてアプリケーションエンジニアの実用的な知識のバランスをとることが全てです」と彼は言います。「仮定と現実でやり取りをしながら、チームワークと思いやりがある三角の関係の価値を、ドルで量ることなどできません」。

マルテンスはそれに心から同意します。

「アプリケーションエンジニアが顧客から要求を受けるとき、代数の問題を解いてくれと言っているのではありませんから」と彼は言います。「本の巻末で答え合わせをすることはできないのです。さまざまな専門知識が必要です。だから、ティムケンには、ギャップを埋めるのが得意な人、色々なものを結びつけるスキルのある人がたくさんいるのだと思います。これに代わるソフトウェアプログラムはありません」。

ロンデーのキャリアはすでに輝かしいものですが、彼は幅広い問題を解決しているだけでなく、Syberプログラムによって集合的な人間の知識を築いているのだと知りながら、毎日仕事に来ることは刺激的だと言います。


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