ティムケン 二つ割りベアリング: 効率的な設計

ティムケンの二つ割りベアリングは、設計工学による創意工夫の見本のようなものです。ラジアル荷重とアキシアル荷重を支える部品がついた機械や装置がますます一般的になっており、エンジニアたちはそれを「捕らえられた用途」と呼んでいます。一体型のベアリングとは異なり、二つ割りベアリング(半分に分割されている)は、他の部品を取り外して再組み立てすることなく、所定の位置に取り付けて結合することができます。外側レース、ローラーケージ、内側レース、ハウジングはすべてシャフトで完全に分かれます。

もちろん、この単純なコンセプトが確実となるのは、その背後に洗練された設計工学があるからです。2014 年に大手の二つ割りベアリングメーカーを買収して以来、ティムケンは レオロジートライボロジー 、および 予測モデリング における多大なる能力を駆使して、世界で最も難しい用途のために、厳しい要件を満たす製品ラインを拡大し、微調整を加えてきました。

単純でも重要なソリューションのための洗練された設計工学

「これらのベアリングには、非常に巧みな設計が施されています」と、英国を拠点とするティムケンの営業部マネージャーで、今回の買収に伴って入社したニック・デント氏は語ります。「実際に分割するための複雑な工程は、ベアリングの世界では非常に独特であり、非常に正確な計算が必要です。」
Exploded view of Timken split bearing parts.


「これらのベアリングには非常に巧みな設計が施されています。」

ニック・デント
営業部マネージャー


ティムケンで、デント氏は当社の二つ割りベアリング製品の成長に貢献してきました。彼の管轄下で販売は二倍以上に成長し、設計においても、当社のポートフォリオで重要な業界をサポートする新しい方法を常に模索しています。実際、デント氏は 30 人以上のティムケンのエンジニアや科学者とともに、二つ割りベアリングのプロトタイプの設計に携わり、 ティムケンのその働きは、名誉ある 研究開発トップ 100 に選ばれました。

設計エンジニアリング

ベアリング業界で 40 年以上のベテランであるデント氏は、設計工学によるソリューションを生み出すティムケンのアプローチと完全に一致するような、幅広い経験と視野を持っています。

1990 年代後半、デント氏は市場で最高の二つ割りベアリングの開発に専念しました。「私たちは多くのエンジニアと話し、競合他社の製品の何が気に入り、何が気に入らないかを調べました」と彼は言います。「その後、私たちはすべての利点を考慮して設計し、気に入らなかった部分を改善しました。」

それには、ケージ ローラーの改良、ケージ自体のより機能的な組み立て構造、より高質の材料などが含まれました。

「私たちはすべてのケージを真鍮で作り始めました。真鍮はより強く、より優れた耐摩擦の特性を持っています」とデント氏は言います。「私たちは、より高品質でより価値のある製品を開発することに重点を置きました。」

は、材料、部品設計、さらにはシーリングのオプションに至るまで、革新的な改良を続けています。

「当社には、よりきれいな環境のためのフェルトシールから、水中用途用の防水シールまで、8 つの標準的なシールのオプションがあります」とデント氏は言います。「当社では、ベアリングに非常に厳しい環境でもあるセメント工場などの用途向けのケブラーシールを用意しています。必要に応じて、シールやベアリング全体をカスタム設計します。」

現場と全ての用途において

アプリケーションエンジニアリングの信頼できるリーダーとして、ティムケンは製品以上のものを提供しています。さまざまな市場における業界の深い知識と経験に基づいて、当社は顧客と寄り添い、 彼らの成功のためのソリューションを開発しています。

Photograph of Timken split bearing parts.ティムケンの二つ割りベアリングの製品拡大において、当社が運用上の脆弱性を評価するために、顧客との話し合いをを頻繁に行っているとデント氏は言います。「当社のスタッフはエンジニアや工場長に『最悪の事態とは何ですか?』と尋ねます。午前 2 時に故障した場合、交換または修理に最も多くの時間と労力を必要とするベアリングはどれかと問い、次に、問題が発生した場合に、稼働停止時間を最小限に抑え、機器を確実にバックアップして、作動する方法を考え出します。」

ティムケンの専門知識は、製品設計と製造、さらには数々の業界や用途で広く認められた多機能性にとどまりません。現場でのサービス エンジニアリングとトレーニングも行っています。

「私たちは常に、当社の専門家を現場に送り、自社の技術者と顧客のスタッフの両方を同時に監督し、トレーニングするように心がけています」とデント氏は言います。「そのように知識を共有することが成果をもたらします。」


幅広い用途にメリットをもたらすティムケンの二つ割りベアリング

Photograph of a row of hydro-power generators.

水力発電

ティムケンの二つ割り円筒ころ軸受 (CRB) は3 つの水力発電所のオーバーホールに含まれており、このプロジェクトは国の将来に向けての再生可能エネルギーの 13 メガワットの容量を保護することが期待されています。横型タービンや発電機で使用されるこれらのベアリングは、他で使われている一体型ベアリングに比べて取り付けが簡単に素早くできるだけでなく、スラスト荷重と軸方向のシャフトの熱膨張に耐えることが証明されています。

Aerial view of a water treatment plant in London.

廃水処理

イギリスの下水処理施設では、好気性生分解に不可欠な装置である回転曝気装置のシャフトでベアリングの故障が頻繁に発生していました。一体型ベアリングの交換を繰り返し行うことにより、長期的な稼働に遅れが生じ、付属部品がついた 25 トンの巨大なシャフトを吊り上げるために大型クレーンが必要になりました。はるかに長い耐用年数を誇るティムケンの二つ割り円筒ころ軸受にアップグレードした後は、長期的な保守費用と稼働停止時間が大幅に削減されたと工場管理者は報告しています。

A view of cargo ship being loaded in harbour.

貨物の取り扱い

欧州最大の港で世界中から船舶が寄港しているオランダのロッテルダムでは、一体型の球面ころ軸受が時期尚早に機能不全となり、船舶のアンローダーのコンベアを駆動させるプーリが繰り返し止まってしまいました。交換するには、ギアボックスを取り外すためにクレーンをレンタルする必要があり、作業が 3 日間遅れ、総コストは 30 万ドル以上かかりました。現在、同社はティムケンの二つ割り円筒ころ軸受を使用しているため、今後の修理や交換は数時間以内にできます。

View of a cargo ship at sea.

船舶保守

船の内部構造を考える: 「通常、機関側から船尾のプロペラまでの長いシャフトは、複数のベアリングによって支えられています」と、英国を拠点とするティムケンの営業部マネージャー、ニック・デント氏は述べます。「一つが故障して、それが一体型の場合は、ベアリングを交換するために乾ドックに入る必要があります。当社の二つ割りベアリングを使用すると、水上にいるときや、非常に短い停泊中にも交換することができます。」


ティムケンのサービスエンジニアは、同社の現場カスタマー サポートを代表しています。彼らが複雑で、困難かつ予測不可能な仕事にどのように取り組み、顧客に価値をもたらしているかを読んでみましょう。