ティムケン社の技術者の3世代にわたる工学上の進歩 

 

SAE Young Engineer of the Yearは将来の名誉を確実なものとする

ティムケン社の応用および設計エンジニアリングのテクニカルグループリーダーであるMike Kotzalasは、34歳の若さで、ベアリングの技術と性能に関する最も知識の深い権威者の1人であるという評価を築き上げました。彼がこのテーマに関して最新の本を書いたことを知っている人もいるでしょう。しかし、穏やかな話し方をするKotzalasは、家族、教師および同僚にスポットライトが当たることの方を望みます。それらの人々が、自分が想像していた以上のことを達成するのを可能にした幸運な一連の出来事を導いてくれたからです。

 

Mike Kotzalasはピッツバーグで成長し、フットボール、良い食物そして家族の伝統の中で育ちました。その伝統の中で最も長く続いたのはエンジニアとなることのようです。ギリシャから移住してきた彼の祖父と父もエンジニアでした。Mikeの子供時代に、彼の父であるNick KotzalasはWestinghouseの核研究所で政府の機密プロジェクトに携わりました。自分の仕事について話すことはできませんでしたが、彼は業界誌であるDesign NewsおよびMachine Designを持ち帰り、子供たちとともに読みました。Kotzalasは、機械関連の仕事に対する早くからの興味の現れとして、「私は子供の頃からそれらを読むようになりました」と言っています。「それは全く自然なことに思えました。決定を下す必要さえ感じませんでした」。

 

Mikeの姉妹であるMargaret Kotzalasも同様に、家業を追求するよう励まされました。彼は、彼女が修士号を取得した後、父親の歩みにならって核エンジニアになり、現在はワシントンD.C.の原子力規制委員会で働いていることを誇らしく述べています。

 

Mikeは自分の仕事において、航空機の着陸ギアなど、高応力の利用例におけるベアリングの金属疲労を予測するため、動荷重の複雑な数学的計算に依存しています。しかし、この若いエンジニアは、自分のキャリアと家族生活のコースに影響する重要な決定を下すときには、単に自分の心が望むことに従います。

 

Mikeは、ペン州立大学での最終学期の前の夏に、将来の妻であるLaurie Nickersonに出会いました。この求愛関係のため、Mikeは元々の計画を変更して、学業を続けることにしました。彼は新たな恋人との接触を失いたくなかったのです。「彼女はまだ2年残していたので、私も残る理由を探したほうがよいと思いました。それで修士課程に進むことにしました」とMikeは述べています。

 

Laurieが幼児期および初等教育で学士号を得るまでの間に、Mikeは機械工学で理学修士号を得ました。学業を続ける資金を探しながら、彼は1年間教職に就き、その後ベアリングの科学を専門とする教授であるTed Harrisに出会いました。彼の専門はMikeの第一志望ではありませんでしたが(彼は振動と騒音対策に関心がありました)、それは資金を得られる数少ない研究プロジェクトの1つでした。

Mikeはその時点ではベアリングについてほとんど知らなかったと述べていますが、彼はその機械を最大限活用しました。1年間ともに働いた後、Ted Harrisは彼にもう1つの提案を差し伸べました。さらに2年間学校にとどまるなら、その期間中にMikeがPhDを取得する資金と支援を提供するというものです。Mikeは迷いました。彼とLaurieはまもなく卒業するところで、収入の多いプロフェッショナルとしての雇用を得て、結婚生活に入りたいと思っていたからです。

 

しかし、この知らせについて聞いたときの彼の妻の反応は、「気は確かなの?このチャンスを逃すことはできないわ!」というものでした。このように促されて、Mikeはベアリング学でPhDを得ました。

 

教授は、博士課程を指導した後、Mikeを米国ベアリング製造連合に紹介し、またティムケン社の人々のところに行ってみるように言いました。彼はそこでインターンシップを終えました。翌1999年、Mikeは製品開発エンジニアとしてティムケン社に入社しました。

 

ティムケン社での彼の最初の割り当ては、新しいタイプの技術的な挑戦でした。製品設計に関する会社の仕様を、会社が取得したルーマニアの施設の仕様と統合するというものです。Mikeは、ルーマニアでエンジニアのチームと共に働きながら文化および言語の違いをすぐに乗り越え、ティムケンのパフォーマンス規格に適合する大口径ボアの円筒および自動調心ころ軸受の新しいラインを設計して立ち上げました。現在、この工場では、世界でもトップレベルの品質を持つベアリングを生産しています。

 

Ted Harrisはティムケン社でのMikeの進歩を見守っており、まもなく、自分が指導したこの若いエンジニアに対し、新たな課題を提示しました。露ス遉ヌ30年間、教育界で10年過ごした後に引退したTedは、Mikeに対し、自分の本の改訂版の共著者となるように依頼しました。世界中のエンジニアが、ベアリングの真髄を記した「バイブル」とみなすもの– Rolling Bearing Analysis (CRC Press, New York)です。Tedは、自分が著者となり、十分に確立されたリファレンス文献を、自分の死後も保ってくれる後継者を得ることを固く決意していたのです。「私は、専門職と人生に対する彼のアプローチの中に、若いころの自分を見ているように感じました」とTedは述べています。彼はまた、Mikeの動機付けと決意も気に入っていました。これらの特質により、彼はMikeが将来、唯一の著者としてもやっていけると感じ取ったのです。

 

仕事の責任は増し加わっており、家には学齢期前の2人の子供がいて、Mikeはこれまでなかったほど忙しくなっていました。それでも、彼は自分に置かれた信頼を名誉に感じており、晩や週末に行う個人的なプロジェクトとしてこの作業を行うことに同意しました。Mikeは膨大な量の新しい情報を編集して分析し、既存の章のリライトを行うために世界中の専門家に助言を求め、以前のエディションが発行されて以来の新しい技術的な発展に対応するための技術的な詳細を加えることが必要でした。これにより、以前は1巻だった本は2巻になりました。第一巻のEssential Concepts of Bearing Technologyでは基礎的な点が扱われているの対し、第二巻のAdvanced Concepts of Bearing Technologyでは、ダイナミックな極限状況でのパフォーマンス分析を行うベアリングエンジニアに適した複雑なトピックが徹底的に扱われています。

 

業界のリファレンスとなったこの本の売れ行きはよく、最初の発行以来、1万部以上が航空宇宙、オフハイウェイ、および自動車分野のエンジニアにより購入されました。この本は、機械エンジニアのデスク上のリファレンスとして広く用いられ、教育コース、および大学院での研究でも引き続き使用されています。

 

摩擦学(摩擦の特性、潤滑および運動中に相互作用する表面の摩耗を扱う学問)の研究におけるMikeの調査と寄与により、彼はこの分野での名士のようになりました。彼はしばしば教壇に立つこと、会議に出席すること、研究に参加すること、そして自分の業績について語ることを求められます。現在でさえ彼が、子供たちの球技大会や学校のイベントの合間に、自分の個人的な時間を用いて、風力発電用タービンのベアリングの摩耗の精密なモデルを組み立てることなど、自分の興味を引く技術的な問題を徹底的に調査するのは珍しいことではありません。こういった熱心さが、Mikeを自分の専門分野での現在の位置に保っており、究極的には、飛行機や列車から機械装置や風車に至る、ほとんどあらゆる種類の可動装置のパフォーマンス、効率および安全な運用につながる、価値ある洞察を生み出しています。

 

Mikeは微笑しながら、「仕事をしていないときに何をしたいか尋ねられたとしたら、家族と共に過ごすことを別にして、『もっと仕事をしたい』と答えることになると思います」と述べています。彼が自分の言葉どおりにしていることは間違いないでしょう。